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XREAL One vs VITURE Pro 徹底比較 — 映像視聴系 AR グラスの本命対決

映像視聴系 AR グラスの本命 2 機種、XREAL One と VITURE Pro を、スペック・光学方式・対応デバイス・拡張性・価格の観点で整理し、用途別の選び方をまとめます。

スマグラ Journal 編集部/ 編集部16 分で読める

映像視聴系 AR グラスの選択肢が増える中、購入を検討する際に最初に名前が挙がりやすいのが XREAL One と VITURE Pro です。どちらも Sony 製 Micro-OLED パネルを搭載し、1080p / 120Hz の大画面表示を眼鏡形状で実現する「持ち歩けるディスプレイ」として支持されています。価格帯も日本国内で 6 万〜7 万円台と近接しており、スペック表を並べただけでは判断がつきにくい構図になっています。本記事では公式情報と国内外メディアのレビューをもとに、両機種の違いを 9 つの観点から整理します。

概要

編集部の整理では、両機種は「同じ用途の双子」ではなく、思想がはっきり違うグラスです。XREAL One は専用チップ X1 による 3DoF(後の XREAL Eye 装着で 6DoF)と低遅延を武器に「眼鏡そのものを空間ディスプレイ化」する方向、VITURE Pro は本体側で光学・視度調整・電気的調光(エレクトロクロミック)を作り込み、ネックバンドや Switch ドック等で「周辺機器との合わせ技」で世界観を完成させる方向です。視野角・輝度・重量・拡張アクセサリの設計に違いが現れます。

同じ Birdbath 方式でも、視野角・輝度・遮光の作り込みで体験は分かれる。編集部生成(Vertex AI Imagen)

各製品の概要

XREAL One

XREAL One は中国発の AR グラスメーカー XREAL(旧 Nreal)が 2024 年末に発表し、日本では 2025 年 1 月 17 日に発売されたモデルです(ITmedia Mobile, 2024-12-24、2026-04-25 参照)。最大の特徴は同社が自社開発した空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を本体に内蔵し、3DoF アンカー表示や低遅延(公称 3ms)処理をスマホやノート PC 側に依存せず実行できる点です。Bose とのチューニング協業によるオープンスピーカーも搭載し、映像視聴と音響をグラス単体で完結させる設計を取っています(XREAL JP Shop、2026-04-25 参照)。

VITURE Pro

VITURE Pro は米国を拠点とする XR グラスブランド VITURE が 2024 年に発表したモデルで、Sony 製 Micro-OLED を採用し体感輝度の高さで知られます(AV Watch, 2024-05-21、2026-04-25 参照)。特徴的なのが本体上部のダイヤルで 0.00D から -5.00D まで光学的に視度調整できる仕組みで、近視の利用者がレンズインサートを別途用意せずに使える設計です。HARMAN とのチューニングによるスピーカーや、サングラスのように外光を遮るエレクトロクロミックフィルムも搭載されます(VITURE 公式(日本)、2026-04-25 参照)。

スペック比較

公式情報と主要レビューから、現時点で確認できる主要スペックを整理しました(2026-04-25 参照)。

項目XREAL OneVITURE Pro
ディスプレイSony Micro-OLED(公称 0.55 〜 0.68 インチ表記揺れあり)Sony Micro-OLED
解像度(片眼)1920 × 10801920 × 1080
リフレッシュレート最大 120Hz最大 120Hz
視野角(FoV)50 度46 度
体感画面サイズ最大 147 インチ相当135 インチ相当
最大輝度600 nit(公式)1,000 nit(体感輝度・公式)
重量約 84〜88g(メディア計測値)77g(公式)
視度調整ソフトウェアによる IPD 調整、レンズインサート別売ダイヤル式 0.00D〜-5.00D
専用チップXREAL X1(3DoF / 低遅延処理)専用チップ非搭載(接続デバイス側で処理)
接続USB-C(DP Alt Mode)USB-C(DP Alt Mode)
国内価格62,980 円(税込)74,880 円(税込)

XREAL One の重量は公式には明示されていませんが、複数の国内レビューで実測 84〜88g 前後と報告されています(SUUTA Magazine、2026-04-25 参照)。VITURE Pro の輝度は「4,000 nit」と表記される媒体もありますが、これはパネル素子の最大輝度で、体感輝度(ユーザーの目に届く輝度)は約 1,000 nit とされています。本記事では混乱を避けるため、ユーザーが体感する輝度に統一しています。

ディスプレイ・光学方式の違い

両機種とも光学方式は Birdbath(バードバス) に分類されます。Birdbath は Micro-OLED パネルから発した光をハーフミラーで反射させ、湾曲したコンバイナレンズで目に届ける方式で、Micro-LED 導波路(Waveguide)方式と比べて視野角と画質を確保しやすい一方、レンズが厚くなりやすく外光の透過率が下がりやすい性質があります。

XREAL One は 50 度の視野角と Sony 製 Micro-OLED の組み合わせで、コントラストと色再現を重視した絵作りとされています。レビューでは「黒の沈み込みが深く、暗いシーンでも階調が潰れにくい」と報告されています(PC Watch、2026-04-25 参照)。

VITURE Pro は視野角でこそ 46 度と XREAL One よりやや狭いものの、体感輝度の高さと、本体内蔵のエレクトロクロミックフィルムで外光を電気的に遮れる点が特徴です。屋外や明るい場所でも黒浮きが起こりにくいと評価されています(AV Watch, 2024-05-21、2026-04-25 参照)。

なお VITURE Pro が搭載する 視度調整ダイヤル(最大 -5.00D)は、軽度〜中等度の近視者には有用な機能で、眼鏡を二重に装着する必要がなくなります。XREAL One の場合は別売のレンズインサートを購入し処方度数で発注する必要があり、ここはユーザーの手間と費用に直結する違いです。

対応デバイス

両機種とも基本は USB-C で DisplayPort Alt Mode に対応する機器 に接続して使う設計です。具体的には以下の機器で動作するとされています(各メーカー公式・主要レビュー、2026-04-25 参照)。

iPhone との接続は両者とも USB-C 化された 15 シリーズ以降を中心に動作報告がありますが、Lightning 世代の iPhone にはどちらも非対応です。Nintendo Switch 旧モデルは純正ドック経由で接続しやすく、VITURE は専用ドック「VITURE One Mobile Dock」を別途展開しています。一方の XREAL は周辺機器側に Beam / Beam Pro を据えて Android アプリを直接動かす設計です。

アクセサリ・拡張性

ここが両者の 思想が最も分かれる 領域です。

XREAL One 側のエコシステム

VITURE Pro 側のエコシステム

XREAL は Beam Pro という板状の端末を「もうひとつのスマホ」として位置づけるのに対し、VITURE はネックバンドとドック群で「グラスの周辺をすべて自社で囲う」アプローチを取っています。長時間の屋外利用やゲーム機との接続を重視するならアクセサリ展開が広い VITURE が有利、Android アプリを直接走らせたいなら Beam Pro を擁する XREAL が有利、と整理できます。

Beam Pro 中心の XREAL と、ネックバンド + ドックで囲い込む VITURE。エコシステムの方向性が異なる。編集部生成(Vertex AI Imagen)

どちらを選ぶべきか

ここまでの比較を踏まえ、用途別に編集部としての見立てを整理します。

価格は XREAL One が改定後 62,980 円(税込・2026-04-25 参照、価格.com 掲載のニュース、2026-04-25 参照)、VITURE Pro が 74,880 円(税込・2026-04-25 参照)で、約 12,000 円差です。視度調整インサートを別途発注する場合は XREAL 側のトータルコストが上振れる可能性があり、購入時には周辺費用も含めて比較するのが安全です。

まとめ

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参考文献

執筆

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