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XREAL Air 2 Pro vs XREAL One — 買い替える価値はあるか 2026 年版

XREAL Air 2 Pro(2023)と XREAL One(2024)を、スペック・機能・価格の観点で整理し、既存ユーザの買い替え判断と新規購入の選び方を 2026 年版でまとめます。

スマグラ Journal 編集部/ 編集部22 分で読める

XREAL Air 2 Pro を 2023 年に購入したユーザにとって、2024 年末に登場した XREAL One は「買い替えるべきか、それともこのまま使い続けるべきか」という悩ましい問いを投げかけてきました。新規にこれから XREAL の AR グラスを買う読者にとっても、価格差と機能差をどう天秤にかけるかは判断が難しい状況です。本記事では公式情報と国内外メディアの報じる内容をもとに、両機種の違いを整理し、買い替えの判断材料と新規購入の選び方を 2026 年版でまとめます。

概要

編集部の整理では、両機種は「同じ筐体の世代違い」ではなく、コンセプトが地続きながらも明確に方向転換したモデルと位置づけられます。Air 2 Pro は「軽量・電子調光を備えたエンタメ向け Birdbath グラス」として 2023 年の決定版を狙い、One は「専用チップ X1 を本体内蔵し、グラス単体で 3DoF 表示と低遅延処理を完結させる空間ディスプレイ」へと踏み出しました。

2 機種の位置付け

XREAL Air 2 Pro(2023)

XREAL Air 2 Pro は、XREAL(旧 Nreal)が 2023 年 11 月に海外で発表し、日本では 2023 年 12 月 14 日に発売された、Air 2 シリーズの最上位モデルです(ITmedia Mobile, 2023-11-30、2026-04-25 参照)。Pro はエレクトロクロミック調光(電子的に外光透過率を 3 段階で切り替える機能)を搭載するモデルとして位置づけられ、日本国内の公式価格は税込 6 万 9980 円で展開されています。Sony 製 Micro-OLED + Birdbath 光学系の組み合わせで 1080p の大画面体験を 75g で実現する点が訴求されてきました(XREAL JP Shop、2026-04-25 参照)。ターゲット層は動画視聴・ゲーム・モバイルディスプレイ用途のエンタメ志向ユーザで、PC や Switch、iPhone / Android、Steam Deck などに USB-C で接続して使うシナリオが中心です。

XREAL One(2024)

XREAL One は 2024 年 12 月に海外で発表され、日本では 2025 年 1 月 17 日に発売された、Air 系列の後継にあたるモデルです(ITmedia Mobile, 2024-12-24、2026-04-25 参照)。最大の特徴は自社開発の空間コンピューティングチップ「XREAL X1」を本体に内蔵した点で、3DoF アンカー表示や低遅延(公称 3ms)処理をスマホやノート PC 側に依存せずグラス内で完結させる設計を取っています。日本国内の公式価格は当初 6 万 9980 円で導入され、後に 6 万 2980 円へ値下げされました(価格.com 掲載のニュース、2026-04-25 参照)。上位モデル XREAL One Pro は 2025 年 7 月 24 日に国内発売され、視野角 57 度・税込 8 万 4980 円で展開されています(テクノエッジ, 2025-07-02、2026-04-25 参照)。ターゲット層はエンタメ志向ユーザに加え、仮想ディスプレイの空間固定を活かしたい生産性志向ユーザにまで広がっています。

主要スペック比較

公式情報と主要レビューから、現時点で確認できる主要スペックを整理しました(2026-04-25 参照)。

項目XREAL Air 2 ProXREAL One
発売(日本)2023-12-142025-01-17
ディスプレイSony Micro-OLEDSony Micro-OLED
解像度(片眼)1920 × 10801920 × 1080
リフレッシュレート最大 120Hz最大 120Hz
視野角(FoV)46 度50 度
PPD(角度あたり画素密度)約 49 PPD(公式)約 42 PPD(公式表記値)
体感画面サイズ最大 130 インチ相当最大 147 インチ相当
最大輝度500 nit(公式・体感)600 nit(公式・体感)
重量75g(公式)約 84〜88g(メディア計測値)
電子調光エレクトロクロミック 3 段階搭載物理シェード(光学的遮光)/ 電子調光は非搭載
専用チップ非搭載(接続デバイス側で処理)XREAL X1(3DoF Spatial / 低遅延処理)
空間表示Nebula アプリ経由(接続側に依存)本体内蔵で 3DoF Spatial 表示
接続USB-C(DP Alt Mode)USB-C(DP Alt Mode)
対応デバイスPC / Mac / 一部 Android / iPhone(USB-C 化以降)/ Switch / Steam Deck 等PC / Mac / 一部 Android / iPhone(USB-C 化以降)/ Switch / Steam Deck 等
国内公式価格税込 69,980 円税込 62,980 円

PPD(Pixels Per Degree)はパネル解像度を視野角で割って算出する角度あたりの画素密度の指標で、数字が大きいほど同じ視野内で文字や細部が精細に見える傾向があるとされています。Air 2 Pro は視野角 46 度に対して 1080p を圧縮するため、One よりも PPD が高いという計算上の特性を持ちます。一方の One は視野角 50 度を取りに行った分、同じ 1080p では PPD がやや下がります。文字主体の作業では Air 2 Pro が見やすく、映像の没入感では One が広く感じる、という関係になりやすいと報じられています(PC Watch、2026-04-25 参照)。

なお、Air 2 Pro の重量 75g は公式値で、One の重量は XREAL 公式が明示していないため複数メディアの実測値(84〜88g 前後)に依拠しています(SUUTA Magazine、2026-04-25 参照)。装着感は鼻パッドや左右バランスでも変わるため、店頭での試着が望ましいとされています。

One で進化したポイント

X1 チップ内蔵による「グラス単体での空間表示」

One の最大の差別化点は、自社開発の空間コンピューティングチップ XREAL X1 を本体に内蔵したことです。Air 2 Pro 世代では 3DoF 表示や低遅延化はスマホ側のコンパニオンアプリ「Nebula」や Beam 等の周辺機器に依存していましたが、One では X1 が内蔵されたことで、接続するスマホ・PC が処理性能の低い機種でも、グラス側で 3DoF Spatial(空間に画面をアンカーする表示)が動作するとされています(XREAL JP Shop, XREAL One、2026-04-25 参照)。

これにより、視聴者が頭を動かしても画面が空間に固定されたままになる「Anchor Mode」、頭の向きについてくる「Follow Mode」、視線中央に固定する「Body Anchor」などの表示モードを、スマホ側のスペックに左右されず利用できる設計になっています。Air 2 Pro でこれらを得るには、対応コンパニオン端末(後述の Beam Pro 等)を介する必要がありました。

3DoF Spatial と低遅延

One は公称 3ms の低遅延を訴求しており、X1 チップによる映像処理パイプラインの改善で、頭の動きと表示の追従性が向上したとされています。クラウドゲーミングや高速な FPS など、遅延がプレイ体験に直結する用途では効きやすい違いです。Air 2 Pro 世代の遅延は接続デバイスや経路に依存していたため、グラス側で一定の遅延上限を保証できる点は仕様上の前進といえます。

視野角 50 度(One Pro は 57 度)

視野角は Air 2 Pro の 46 度から One の 50 度へと拡張されました。さらに上位の One Pro では 57 度まで広げられており、視野いっぱいに映像を投影したいユーザは One Pro を選ぶ余地もあります。視野角の拡大は「両端のロスが減って画面全体が見やすい」「映画視聴で没入感が増す」といった効果が報じられている一方、PPD は前述のとおり下がるため、文字中心の作業でのキレ味は Air 2 Pro と僅差になる場合があります。

ガラス導波路ではなく Birdbath の改善

XREAL One は引き続き Birdbath(バードバス)方式を採用しています。Birdbath は Micro-OLED パネルから発した光をハーフミラーで反射させ、湾曲したコンバイナレンズで目に届ける方式で、Micro-LED 導波路と比べて画質と視野角を確保しやすいとされる方式です。One ではコンバイナや内部レイアウトの見直しにより、コントラストや黒の沈み込みが改善されたと国内レビューで報告されています(PC Watch、2026-04-25 参照)。なお「ガラス導波路(Glass Waveguide)」を採用するモデルは XREAL ラインナップでは別系統に位置づけられており、One / One Pro は Birdbath の延長線上にある光学系である点に留意が必要です。

Bose チューニングのスピーカー

One は Bose とのチューニング協業によるオープンスピーカーを搭載し、グラス単体での音響体験を強化しています。Air 2 Pro 世代でも開放型スピーカーは備えていましたが、低音の量感や定位感が向上したと評価する声が出ています。

Air 2 Pro が今でも有利なポイント

価格(市場での実売状況次第)

公式価格では現時点で One のほうが安価ですが、Air 2 Pro は 2023 年発売モデルのため、家電量販店やフリマアプリの中古市場で値下がりする傾向にあります。中古や型落ちの新品を含めれば、Air 2 Pro のほうが入手コストを抑えやすい局面が出やすい状況です。新品で「最低限のコストで Birdbath を試したい」読者にとっては、Air 2 や Air 2 Pro の在庫が候補として残ります。

軽量性(公式 75g)

Air 2 Pro は公式値 75g と、One の実測 84〜88g 前後よりも明確に軽いとされています。10g 前後の差は数値だけ見ると小さく感じますが、長時間装着では鼻と耳への負担に効きます。「2 時間以上連続で装着する」「飛行機や新幹線で映画を 1 本通しで観る」といった用途では、Air 2 Pro の軽さが効くケースがあると報じられています。

Pro 限定機能:エレクトロクロミック電子調光

Air 2 Pro が今も持つ最大の差別化点が、エレクトロクロミックフィルムによる電子調光です。本体側面のボタンで外光の透過率を 3 段階に切り替えることで、明るい屋外でも黒浮きを抑えやすく、室内ではシースルー寄りに保って周囲を確認しやすくする、といった使い分けができるとされています(ITmedia Mobile, 2023-11-30、2026-04-25 参照)。

XREAL One には電子調光は搭載されておらず、外光遮断は物理的なシェード(前面に装着する遮光カバー)に頼る形になります。物理シェードは確実な遮光が得られる一方、付け外しの手間や持ち運びの煩雑さが指摘されており、屋外利用やカフェなど明るい場所での視聴頻度が高い読者にとっては Air 2 Pro の電子調光が依然として有用な機能です。

ユースケース別の正解

ここまでの比較を踏まえ、用途別に編集部としての見立てを整理します。

動画視聴中心(Netflix / YouTube / Prime Video)

仮想ディスプレイ(PC / Mac の外付け)

クラウドゲーミング(GeForce NOW / Xbox Cloud Gaming / PS Remote Play)

旅行・出張

買い替えコスト試算

現行 Air 2 Pro 利用者が One へ移る場合の概算を 2026-04-25 時点でまとめます(あくまで参考値で、実勢価格は流動的です)。

近視ユーザでレンズインサートを再発注する場合は、これに 5,000〜15,000 円程度(処方度数や購入元による)が上乗せされる可能性があります。逆に、Air 2 Pro 用のレンズインサートを所持していて One 用にも流用したい場合は、フレーム形状が変わる可能性があるため事前に互換性の確認が必要です。

「3 万円前後の追加投資で X1 / 3DoF Spatial / 視野角 50 度 / Bose 音響 を得られる」と捉えるか、「電子調光と 75g の軽さを失うのは惜しい」と捉えるかが分岐点になります。

まとめ

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参考文献

執筆

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